Eigopowerコラム

赤ちゃんの脳は爆発的に活動している

まだ寝返りもままならない乳児は、上向けに寝た姿勢で自分の見える範囲のものだけを見て、毎日を過ごしています。
その限られた運動能力や視界範囲のお陰で、乳児は周りの音や声に神経を集中し、それらの聞こえてくる声や音は脳を爆発的に刺激しているのです。

生まれて数ヶ月の乳児は世界中のどんなコトバの音も聞分けることができることが立証されています。

このことは、病気や怪我のために、自分では寝返りもうてずにベッドに寝たきりになった経験がある人であれば、容易に想像がつくでしょう。
そんな状態のとき、誰でもラジオやオーディオ機器から聞こえてくる音楽に集中し、いつもの何倍もそれを楽しみ、周りの雑音にさえ敏感に反応していたはずです。
また、今まで考えないようなことを深く考えたり、想像したり、頭を大いに回転させていたに違いないのです。

寝返りをうったり、「はいはい」が出来るようになる前の赤ちゃんにとって、聞くことは大きな楽しみであり、その刺激により脳や言語を聞く能力は、この時期に著しい発達をとげるのです。

赤ちゃんの脳とは?三つ子の魂、百までは本当だった!

赤ちゃんの脳(大脳皮質内)には、100億以上の神経細胞(ニューロン)が収まっていて、それぞれの目的により様々な種類や形のグループに分かれています。
それらの神経細胞のグループが、ニューロンの信号を次のニューロンに伝える働きをする「シナプス」といわれる連絡部によって整備されていきます。

3 歳児の脳には、大人の 3 倍の数のシナプス(脳細胞のつなぎ目)があるのです。
脳の成長とは、このニューロンの精密で複雑な伝達網(ネットワーク)の形成を意味するのです。

これらの複雑な神経細胞のネットワークは主に様々な刺激により形成されます。
見たり、聞いたり、触れたり、感じたりすることのすべてが、赤ちゃんの脳への刺激なのです。

大脳のネットワークの形成が最も活発に行われるのは生後3歳くらいまでで、ほぼ3歳までに約60%、ほぼ6歳までに約90%、ほぼ11歳までには完成します。
特に生後6ヶ月頃までが急成長期で、脳の大きさは最初の2倍ほどになります。

また、3歳ぐらいまでに経験したことは特別な記憶痕跡として、一生涯にわたって働き続けるとも言われています。
さらに、3歳以下で学習した知識や能力は、その後使われずに忘れたり衰えたりしても、全く学習しなかったことに比べて、ずっと安易に頭や体に蘇ってくるのです。

「三つ子の魂、百まで」というコトバは、まさしく脳科学においても実証されたことになります。

脳の発達とコトバを覚えるプロセスは同時進行

子供は生まれてから数年の間に、話すコトバを耳で聞き、自分がそれを真似てしゃべったことを記録しながら、コトバの神経回路を頭の中に形成していきます。

実際は「コトバ」というより、表情やジェスチャーを含むコミュニケーションというほうが正しいかも知れません。
これらは、運動回路、思考回路など、そのほかの神経回路とも密接につながっていきます。この時期に聞いたり話したりしたコトバが母語になり、通常人間は5、6歳ぐらいまでに母語の基礎をほぼマスターすると言われています。

しかし、この母語をマスターするプロセスは多くの謎に満ちているのです。
幼い子供が学習するコトバの“量”はあまりにも限られているのに、なぜ彼らは文法というものの存在を意識したり、正しい文と間違った文の違いを指摘できるようになるのでしょうか?

その問いに対する完璧な答えがあるとすれば、それは「人間の子供には生まれたときから、言語能力(言語の原型)が備わっている」ということです。
その原型が備わった未発達な脳は母語に合わせて成長し、実に複雑な仕組みをもつコトバを、驚くほど早期に容易にマスターしていくのです。

6歳までに(コトバの臨界期)

3 歳児の脳のシナプスの多さは上記しましたが、年齢が増すにつれて、使われていないシナプスを「切り落として」脳の変革が行われていきます。
言語の中の切り落としとは、まさに「多言語の音の聞き分ける能力で、日本語にない英語の音を聞けない脳が形成されていくのです。

その理由は、専門言語(母語)に焦点を定め、自分の必要部分の強化期間に入るためです。
樹木で必要な幹を太く丈夫にするために、無駄な枝を切り落とす作業に似ています。

そして、その脳の変革は 10 歳でほぼ完成してしまいます。
幼い時期にできたことができなくなる境目を認識し、学者たちが提唱するのが「臨界期説」です。
臨界期とは、「その時期を過ぎると学習が成立しなくなる限界の時期」ということです。

この臨界期説の理解においては賛否両論あり、上記のような例だけを見て、コトバの臨界期説のすべてが正しいと言い切ることはできませんが、言語習得においては、科学者の中ではほぼ確認されていると言ってよいでしょう。

但し、一点、注意しなければならないのは、音の聞き取り能力とは多少離れて、コトバそのものの習得期間について、7歳以上は難しいという説です。
人間との関わりを持たなかった子たちには言語を学習できる脳が育たない、次にコトバを覚えるには一定の時期がある、ということです。

しかし、このベースになるのは、親の虐待により人間社会から完全に隔離されて育った子供の悲劇的な例なのです。

こういったケースでは、この子たちが初めから障害を持って生まれた、または途中で病気になり本来の機能を喪失したという可能性も否定できないからです。
これらの悲劇の例があまりにも少なく、しかも隔離された状態であったため、発見されるまでの事実経過が検証されていないという事実は認めざるをえないでしょう。

また、この臨界期説を証明するために、このような残酷な状況を人工的に作ることは出来ない以上、科学的に断定するには脳科学の発達を待つほかないようです

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コトバの音の認識能力に大きく関係している脳は、3歳までに約60%が出来上がります。
脳がほぼ完璧にできあがる10歳ぐらいを境に、その認識力が急速に落ちていきます。

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